当院にも「骨盤がずれてると思う」「骨盤矯正しなきゃ痛みは治らないと思う」とおっしゃる患者さんが稀にご来院されます。
それくらい≪骨盤の歪み≫と≪骨盤矯正≫は一般的に広く知られているものだという事でしょう。
ですが、果たして全ての人が必ず骨盤矯正をしなければいけないのか?というと疑問が残ります。
今回は【骨盤矯正は必要なのか?】をテーマにお話していきましょう。
そもそも骨盤矯正って何?
整体や接骨院の看板やチラシ、幟にでかでかと書かれている≪骨盤矯正≫という単語。これってどういうものを指しているのでしょう?
実は、骨盤矯正とは造語ですので、決まった定義が存在しません。
ですので、腰の骨をバキッとする施術を骨盤矯正と言ったり、トムソンベッドという特殊な機械を使って施術することを骨盤矯正と言ったりします。
足の長さって
よく骨盤矯正を行う前後で膝の高さや踵の長さを比べて揃っているかどうかを見ますが、その場でジャンプを20回繰り返すか15~20分たてば長さは元に戻ります。その程度のものなので、脚の長さを気にしすぎる必要は全くありません。
また脚長差は、生活の癖からくるものと骨の変形から来るものの2種類あります。
多くの研究では後者の場合は痛みと関連すると結論付けられていますが、前者と痛みの関連はない、もしくははっきりしないというのが実情です。
とはいえ
骨盤周囲の施術が無意味というわけではありません。骨盤回りの筋肉や靭帯、神経は痛みに関わることもありますので、当院でも実際に骨盤回りが問題となっていたら施術を行います。
ですが、骨盤の歪みが全ての根本原因ということはなく、骨盤矯正を全ての人が行うべきというわけでもありません。
人は常に左右非対称な生き物です。
≪歪みがない方が良い≫とされているのは、あくまで人間の本能的な美的感覚によるものです。
美的感覚と痛みの改善がイコールになるかと言われると決してそうではありません。
骨盤回りの施術が必要な人もいれば、それ以外の施術が必要な人もいます。
要は≪人による≫。この言葉に尽きます。
何でも骨盤を整えれば良しとする現在の風潮は痛みの根本改善の本質を見落としかねないと危惧している為、是非今回の内容を参考に自分に合った整体院を見つけてくださいね。